スタッフのらくがき帳

三線<さんしん>と津軽三味線に関する個人的考察 香田です!

古い話になるが高校の頃、沖縄の<紫>というハードロックバンドのコピーをしていた。
それで少し<琉球音階>というものに興味を持った。

調べようと思ったが、図書館へ行くのが面倒くさい。
どうも沖縄の音楽は7音階のうち聞こえてこない音があるような気がしたので、
最も安直な方法をとることにした。

当時流行っていた<ハイサイおじさん>のメロディをピアノで弾いて、
それを譜面に採ってみた。

結果はビンゴだった。
2度(レ)と6度(ラ)の音がひとつも入っていなかったのだ。

だからハ長調の琉球音階なら<ドミファソシド>となる。

もしお手元に何か楽器があれば、
<ドミファソシド>と弾いてみてください。
琉球音階に聞こえるはずである。

これでいったんはスッキリしたのだが、別の疑問が湧いてきた。

なんで三線と三味線はおんなじような楽器やのに、
全く異質な音楽に聞こえるんやろう。
三線と三味線はどっちが先にできたんやろう?

当時<宮川左近ショー>という浪曲漫才をやるトリオがいた。
その中で三味線担当の暁照夫さんが実に粋な男だった。

この暁さん、津軽三味線ばりの早弾きをするのだが、津軽三味線で使用する太棹ではなく、
長唄で使うような細棹で弾いていた記憶がある。
しかもバチではなくギターのピックを使って手先だけで早弾きしていた。

ボクは今度は暁さんの早弾きをラジカセで録音して譜面に採った。

すると、意外なことがわかった。

こちらも同様に2度と6度の音だけが抜けていたのだ。
ホ短調の和音階なら<ミソラシレミ>となる。

琉球音階も和音階も2度と6度の音が抜けているのだか、
長調で弾くと琉球音階に聞こえ、短調で弾くと宮廷雅楽のように聞こえる。

ここでボクはひとつの結論に達した。

間違いなく三線が先に生まれたのだ。

沖縄の人たちは陽気だ。だから長音階しか使わなかった。

しかも暑いから旋律は汗をかかないようにゆったりしたものになる。

この三線が京の都に伝わると、長音階が嫌われたのではないか。
あまりにも「脳天気」過ぎて、
「これでは宮廷音楽としての値打ちをこけない」と思ったのではないか?

蛇の皮を使用する三線は、京の都では材料がなかった。
だから猫の皮で三味線を作った。
そして何ごとにも荘厳さを重視する都風だから旋律も緩やかなので
細棹の三味線で使用に耐えた。

これが京の都から江戸、奥州へと伝搬し、極寒の津軽へ辿り着いた。

もしかしたら最初は農閑期のてなぐさみに弾いていたものが、
早弾きの自慢のしあいへとエスカレートしていったのではないか?

早弾きの習得は、人一倍の根性と忍耐を要する。これは東北人固有の特性だ。
しかも雪深い津軽だから、激しく弾いても体が暖まってちょうどいい。

これが温暖な沖縄だと状況は異なる。
別に早弾きできなくても楽しいことは他にたくさんある。

「早弾きなんかできんでもえーもんね、汗かくし」となる。

かくして津軽の地で、激しい使用に耐えうるように三味線は太棹となり、
津軽三味線は最終進化形となった……。

これがボクの出した結論なのだか、諸氏はいかがなものか。

いやいや、ボクの単なる思い込みですよ。
学術的裏付けなんか、なんもありませんよ。
あんまり信用せんとってくださいね。

2011年10月02日 | カテゴリー:スタッフのらくがき帳

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