スタッフのらくがき帳

少年の眼を持った大人

そんな大人の男が女性にモテるんだそうだ。昔からそうらしい。

 

しかし、ハードボイルド作家の北方兼三によれば、

少年の眼を持つ男、イコール修羅場を踏んだこともなく、単に未成熟な男と

いうことになるらしい。

 

ボクはと言えば、未成熟と言われてもいいから、やっぱりモテたい。

 

しかし、20代のおねーちゃんたちから

「香田さんって、少年ぽいところがあるー!」などと言われると、

なんか妙にバカにされたようでムカつく。

 

 

ところがだ、同じことを自分と同年代の熟女から言われると、

とてつもなく嬉しくなってしまう。

 

友人の熟女から

 

「あなたのそういう少年ぽいとこ、嫌いじゃないわよ」などと言われると

 

 

 

(惚れてまうやろー!)

 

 

 

とつい叫んでしまいたくなる。

 

 

何故だろう?

 

ついこの間もそんな出来事があった。

 

 

ボクはその日、上新庄のラウンジにいた。

 

親友金田鉄雄の嫁である愛子ちゃんの先輩、真希さんの店だ。

 

 

1年に1度、決まってお盆になるとボクたちはこの店に集まる。

 

貸し切りで、今は亡き鉄雄とどんちゃん騒ぎするためだ。

 

 

真希さんはボクたちより1コ上だから53歳になる。

 

 

でも、いまでも美しい。ため息が出るほど綺麗だ。

 

 

初めて会ったのが20代の半ばだから、もう長い付き合いになる。

 

 

ボクはその日、少しでも真希さんにかまってもらいたくて、

カウンターの中で彼女のお手伝いをしていた。

 

いや、正確に言えばちっとも役に立たないので

邪魔をしていただけなのだが……。

 

 

「もう愼ちゃん、暑苦しいから子供みたいにへばりつかんと

 あっちで遊んでなさい。ワタシのおっぱいでも欲しいんか?」

 

 

 (………はい、心の底から欲しいです………)

 

 

絶対に口には出せない想いを胸に、トホホなボクは席に戻りました。

 

 

しばらくして落ち着いた真希さんも席について、カラオケ大会が始まりました。

 

 

その日は、一回勝負ごとに一人千円ずつ出し合って、

最高得点の人が賞金を総取りするルールでした。

 

これはウチの店長が大好きな遊びで、けっこう場が盛り上がるので

ボクが仲間うちにもこのルールを持ち込んだのです。

 

 

久しぶりに真希さんに会ってはしゃいだボクは、

一曲目、若い頃よく聴いた、佐野元春のダウンタウンボーイを唄いました。

 

2番の歌詞が素敵なのですが、こんな唄です。

 

 

  ♪ May  be  Baby  ためらう素振りさえ

    セクシーに Shakin`  in  the  night

    本当のものよりきれいなウソに夢をみつけてるあの娘

    そんなに見つめないで 心わけあえないなら

    この街でまたひとつ 誰かの愛を失いそうさ

    ダウンタウンボーイ ダウンタウンボーイ

    気どってばかりの ランナウェイ

    恋を抱きしめて ここにもひとり あそこにもひとり

    But  it`s  all  right

        Yes  he`s  a  Down Town Boy         ♪

 

 

順番がラストのボクの唄が始まると、

真希さんはひとりカウンターに移ってカラオケ画面を見ていました。

 

 

そしてボクの唄が終わると、こんなことを言ったんです。

 

 

「そういえば昔、愼ちゃんよくこれ唄ってたなぁ。

 ホンマにいつまでも不良少年のままやな。アカンよ、早く大人にならな。

 でもそれってワタシいいかも?」

 

 

悪戯っぽい瞳で、真希さんは笑っています。

 

 

…………真希さん、二十数年後の今日、あらためて思います。

やっぱりボクは、泣けてきそうなほど……あなたが好きです…………

2012年08月17日 | カテゴリー:スタッフのらくがき帳

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