スタッフのらくがき帳

ショパンとリスト(第3回)             香田です!

旧友のキョウジから電話があった。

 

『こーやん、リストのことあんまりにもけなし過ぎやないか?

 高校の頃、リストは凄いってことあるごとに言うてたやん。

 ディープパープルのジョン・ロードなんか足元にも及ばんって!』

 

※ディープパープルは、大昔に流行ったハードロックバンドで、

ジョンはそのキーボード奏者である。

 

 

ここでリストの凄さに少し触れておこうと思う。

 

リストの凄さは、音楽家としてはもちろん、

最も優れた部分は、ピアノ奏者としての卓越した技巧と言われる。

 

彼が生誕してから200年以上経過しているのであるが、

彼以上のピアニストは輩出されていないとされている。

 

テクニック的に言えば、

リストの演奏(と、言うか彼のピアノ曲)は常に右手と左手を合わせて

4オクターブ以上の音域をカバーするように構成されている。

 

しかもそのほとんどが副音なので、

常時広い範囲で10本の指が動き続けていることになる。

 

さらに急に手が遠くへ飛ぶ。

 

レ♯とミの音をトリルしていた指が、

いきなり2オクターブ高いレ♯まで行くといった具合に。

 

リストは生まれつき手が非常に大きかったらしい。

 

生まれつきの手の大きさに加えて、

幼い頃から手を広げる訓練を繰り返していたようだ。

 

その修練の積み重ねが、

およそ常人には到達し得ない『超絶技巧』の境地となったのだ。

 

さらに加えれば、彼の指は広い範囲を素早く動きまわるばかりでなく、

タッチ自体が非常に強かった。

 

だからよく演奏中に鍵盤やハンマーを壊したらしく、

彼の演奏会では常にスペアのピアノが用意されていた。

 

ベーゼン・トルファーのピアノが名器とされているのは、

リストの強烈な演奏にも耐えて壊れることがなかったからだ。

 

リストは歴代のクラシック音楽家の中でもかなりイケメンの部類だ。

 

しかも背が高く、がっしりした体格をしていて

そのイケメンが長い髪をふり乱して激しい演奏をするのだ。

 

こうなると街のオネ―チャンたちは放っておかない。

 

彼のコンサートは失神者続出。

 

楽屋にこっそり入ってタバコの吸い殻を盗む者、

はてはリストの家に忍び込んで、

バスタブの残り湯を飲もうとするオネ―チャンまで現れるしまつだった。

 

古い話で恐縮だが、ボクが小学生の頃、

グループサウンズが流行していて『オックス』というグループがあった。

 

このオックスのコンサートでは失神者がよく出て、

会場には救急車がよく出動していた。

 

当時のリストを取り巻く環境は、おそらくそれと同じだったんだろう。

 

2013年07月18日 | カテゴリー:スタッフのらくがき帳

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